実家の空き家問題「自分が住む」と答えたのはわずか7%に

現在、日本では800万戸以上の空き家が存在※し、全国にある物件の14%近くを占めていることをご存じでしょうか?

少子高齢化や人口移動といった変化から年々増加の一途を辿っており、管理の行き届いていない空き家は劣化も進むことで防災、衛生面でも様々な問題が出てきます。

ご自身や周りの方の中にも空き家問題に悩まされている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、いざ問題に向き合うと荷物の整理や法的な手続きなど、解決するべき問題も多いと思います。

今回は、そんな空き家問題に直面している・もしくは今後直面する可能性のある方々に対して、空き家の問題点や今後の対応について伺っていきます。

空き家問題に現在関心のある方はもちろん、今後自身が問題に関わっていくかもしれない方は、ぜひ目を通してみてください。

  • 「空き家問題」多くの人は認識しているが、自分のこととなると…?

はじめに、「空き家問題」についてどのくらいの方が認知しているか伺ったところ、「言葉・内容もなんとなく知っている(61.0%)」と回答した方が最も多い結果となりました。

「言葉も内容もよく知っている(27.0%)」と回答した方とあわせると、約9割は問題について少なからず認知はしていることがわかります。

1年以上利用実態がない物件のことを「空き家」と国土交通省で定義づけしています。

そのような空き家が年々増えていることはテレビニュースやネット記事で取り上げられることもあり、多くの方が認知しているようです。

前提として親御さんが持ち家を所持していることも、空き家問題への関心が高い理由の一つなのかもしれません。

では、具体的にどのような問題が起こりうると考えているのでしょうか。

次に、空き家があることでの起こり得る問題で、聞いたことがあるものについて伺ったところ、「ごみの不法投棄(72.7%)」「草木や雑草の繁茂(71.6)」という回答が集まりました。

雑木や雑草の繁茂といった自然に発生する問題だけでなく、人的な被害についても空き家問題に付きまとうイメージとして強いことがわかりました。

特に人的被害については、「不審者の出入りや住みつき(62.5%)」と回答した方も多く、大きな問題となっているようです。

空き家問題にはトラブルも多いため、ご自身の親御さんが住んでいる持ち家についても早めに話し合いを始めることが大切なのかもしれません。

  • 親が亡くなった後の対応は…?話し合いができている方は半数以下という結果に

空き家問題の認知や起こり得る問題について明らかにしましたが、親御さんが亡くなった後の実家をどうするか、親御さんと話をしたことがある方はどのくらいいるのでしょうか?

伺ってみたところ、「話したことがない(57.0%)」と回答した方が最も多いことが明らかになりました。

また、「話したことはあるが、決まっていない(29.0%)」と回答した方を含めると、実に9割近くの方は今後のことが曖昧になっているようです。

続いて、現状では実家は将来どうする予定なのか伺ったところ、「まだわからない(41.0%)」と回答した方が多い結果となりました。

「売却する(25.0%)」「親戚や兄弟が住む(21.0%)」と回答した方もいたものの、完全に今後のことが決まっている方はやはり少ないようです。

前問で「そのままにしておく」「まだわからない」と回答した方に対して、理由を伺ったところ、「今まで特に考えたことがなかったから(53.3%)」「何をするにも手間がかかりそうだから(33.3%)」「何をするにもお金がかかりそうだから(31.1%)」という回答が集まりました。

遺言書や相続人の確認などの法的手続きも多く発生することから、何も対応ができていないことも多いようです。

しかし、いざ実家が空き家になり放置してしまうと、“特定空家”に指定され固定資産税の増額や罰則が発生することもあります。

今のうちから対応を考えてみてもよいのではないでしょうか?

実家の将来について伺った際に、ご自身で住むという方は7.0%にとどまりましたが、その理由は何なのでしょうか?

最も多く集まった回答は「既にマイホームを持っているから(59.1%)」となりました。

さらに、遠方に住んでいるという理由から住めないと判断した方も多いようです。

また、「家が古く、老朽化しているから(15.1%)」という声もあり、住むに住めないという状況もあることがわかります。

  • 家財の整理が最も大変なこと!?実家を手放すご家族の対応

実家が空き家になった場合は身内が対応しなければならないことも多いでしょう。

そこで、もし実家を手放す場合、特に大変そうだと思うことを伺ったところ、「家財の整理(72.0%)」「法的な手続き(54.0%)」「お金まわりの確認・対応(34.0%)」という回答が集まりました。

複雑な法的手続きではなく、家財の整理と回答した方が多いことがわかりました。

長年の思い出が詰まった実家は、それだけ荷物の量も多くなると思います。

大量の荷物を整理することは、ご家族だけでは大変なことも多く、一番に解決したい問題なのかもしれません。

最後に、家財の整理の中で、特に困りそうだと思うものについて伺ったところ、「家具・家電(84.0%)」「着物・衣類(56.0%)」「小物やアクセサリー(30.0%)」という回答が集まりました。

家具の処分や着物やアクセサリーなど、思い出の品を整理することは心理的な負担も大きいのかもしれません。

  • 空き家対応の一歩目は家財の整理から!?サポートサービスを活用することも視野に入れてみては

親が持ち家に住んでいる方を対象に、空き家に関する調査を行いました。

空き家問題を認知している方は多いものの、今後の対応についてご家族で話し合いができている方は少なく、将来への不安が垣間見える調査結果となりました。

ご自身が実家に住む予定という方は非常に少なく、地元から離れた場所に住んでいる方も多いことがわかりました。

地元を離れ、都市に人口が集中する都市化問題も空き家が増える原因の一つと考えられそうです。

また、いざ実家を手放す際に大変そうなこととして、家財の整理や法的手続きが挙げられました。

特に家財の整理については、長年住んだ家では荷物も多くなり、ご家族だけでは対応が困難になることも多いでしょう。

様々な思い出が詰まっている実家に関する問題だからこそ、急に対応を迫られてもバタつかないように、且つ後悔の残る対応にならないように、事前の準備は重要なのかもしれません。

※総務省統計局『平成30年住宅・土地統計調査 特別集計』参照:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/tokubetsu.pdf

<調査概要>

調査概要:実家の活用や処分についての調査

調査期間:2024年1日22日(月)

調査機関:WEBアンケート(設問選択・記述式)

調査対象:親が持ち家に住んでおり、自身とは別居している全国の30代後半~50代の男女

調査人数:100人

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