遺品整理で「困った!」となった家財道具は何?

遺品整理では何かと苦労をしますが、特に処分が大変な家財道具は時間も労力もかかってしまいます。
林商会は、100名を対象に遺品整理で処分に困った家財道具についてのアンケート調査を実施しました。そこで今回は特に処分に苦労した家財道具について20代以上の男女100名を対象にアンケートを行いました。

(N=100名、単一回答。2022年03月30日に実施したインターネット調査による)
20代:18人
30代:32人
40代:28人
50代:14人
60代:8人

遺品整理は誰もが経験するものです。まだ経験がない方もぜひ参考にしてみてください。

遺品整理の中で特に処分が大変だった家財道具は何ですか?

今回アンケートに回答していただいたうち、もっとも多い年代が30代、次いで40代、3番目が20代です。このことから、若者であっても遺品整理の経験があることがうかがえます。

​(N=100名、単一回答。2022年03月30日に実施したインターネット調査による)
タンス:22人
仏壇:18人
その他:16人
ベッド・寝具:13人
骨董家具:8人
食器棚:7人
美術品:7人
冷蔵庫:4人
ダイニングセット:2人

それではそれぞれの家財道具について大変だったことをご紹介していきます。

【1位 タンス】
「祖母の家を売りに出すにあたり、家の中を空っぽにする必要がありました。遠方で手伝えない親戚の代わりに、私と伯母で奮闘しました。エアコンや冷蔵庫などの家電や、大きな箪笥は簡単に捨てられないものなので苦労しました。手続きが無くても捨てられた昔はもっと処分が簡単だったんだろうな。(粗大ごみ処分 30代・女性)」

「一戸建ての3階にあったタンスなんですが、新築時に恐らく家の外から吊り上げて窓から入れたらしく、部屋の中にきっちり収まっていて内側のドアからは出せないサイズでした。
仕方なく分解して粗大ゴミで出すことにしたのですが、部屋にも十分なスペースがないので、狭い中で時にノコギリを使ったり力づくで分解して、なんとか外に運び出し、それからまた縛ってまとめて粗大ゴミの回収場所まで持っていくのが大変でした。(粗大ごみ処分 30代・男性)」

「古いタンスとタンスの中の着物について誰が所有するのか、大きくて古いものなので処分や持ち運びも大変でもめました。
実際業者を呼んで処分してもらわなければいけなかったので費用も結構かかり大変でした。(遺族間での意見の相違 30代・女性)」

タンスはそれだけでも重たく、処分に手間がかかります。
運び出そうにも重量と大きさで想像以上の苦労をした人が多くいました。
中身が空であればタンス本体の処分だけで済みますが、衣類が入ったままだと中の物を片づけることから始めなくてはならず、余計に手間がかかってしまいます。
また、2階に設置されている場合や狭い廊下を通る必要があるとなると、「運び出すだけでも一苦労だった」といった意見もみられました。

【2位 仏壇】
「義父が亡くなり、親戚と一緒に遺品整理を行いましたが引取り出来ない物は不用品の買取業者(遺品整理も行っている会社です。)に依頼しました。家電や家具などは買取、または不用品として処分を依頼しましたが、仏壇だけは引取り出来ないと言われ、檀家であればお寺さんに相談することを勧められました。義父は学校の教師を定年退職してから、温泉地に家を建て一人暮らしだったので、何処のお寺の檀家になっているか分からず、義父の葬儀をしたお寺さんに相談してその後処分しました。(仏壇は大きな物では有りませんでしたが、お寺さんに話をしたことを不用品買取業者に話をして処分しました。)(不用品回収 50代・男性)」

「仏壇をどうしたらいいのかとても悩みました私は一人娘で嫁ぎ先は長男なので、すでに仏壇があるのです。親戚の人達と相談もしましたが色んな事を言われましたが。なんとか仏壇は仏具屋さんに相談して何とかなったのですが今度は位牌の事でまたもめたのです。先に亡くなった者の位牌と一緒に永代供養をして貰う事にしたのですが只々仏様にごめんなさいとゆう気持ちでいっぱいで大変な思いをしたのです。(その他 60代・女性)」

「お仏壇はどのように処分すれば良いのかわからず、捨ててしまって良いものなのか、その他も一つ一つは大変すぎるので、遠方であったことから結局お金で解決という事で業者にお任せしました。(不用品回収 40代・女性)」

仏壇は先祖の魂を慰めるために必要なものですが、大きくて場所をとるため、引き継ぐことが難しいケースも多いです。

とはいえ、他の家財道具とは違い単に“捨てる”わけにもいかず、処分にためらってしまう人が多いでしょう。。

仏壇の処分は然るべき方法で進める必要がありますが、そのぶん手間や費用もかかります。

一人で進めるには難しいと感じる人が多いようです。

【3位ベッド・寝具類】
「ベットマットレスの中にスプリングが入っているので、ゴミとして搬入するにも、分別をしなくてはならないとのことで、不用品回収という形になりました。回収費用も結構掛かってしまいました。(不用品回収 50代・男性)」

「折り畳み電動ベッドで、市の不用品回収を利用したのですが、マンションの3階につき、エレベーターを使って1階のマンション入り口まで運ぶことも大変でした。重さがありました。不用品回収という事単体で考えても、1個だけを回収などやっているところが少なく、安心してやってもらうには市役所での手続きのものしかありませんでした。(不用品回収 40代・女性)」

「二階を寝室にしていたために、不用品回収のために寝具をもちだすのが異常に手間がかかった。階段を使っては出せないサイズだったので、ロープを用いて二階の窓から下ろすのが大変だった。(粗大ごみ処分 50代・男性)」

敷きふとんであれば処分も簡単ですが、ベッドの場合はフレームやマットレスの処分が必要です。

特に介護用ベッドやスプリング入りのマットレスは部品数が多く、分別のために解体する作業だけでも労力がかかります。

処分には費用がかかることがあるので、事前にどれくらいの費用が必要なのかを調べておくことをおすすめします。

【その他】
具体的な家財道具は上記3つが多かったのですが、一方でその他と回答した人も多くいました。

具体的にどのようなものの処分に困ったのかをこちらでご紹介します。

「祖母が所持していた大量の本と本棚です。
今は売っていない古い書物が大量に格納された大きな本棚をどうするかで家族で意見が割れました。本自体は綺麗で、マニアの方が欲しがるようなものもあると思うので私は処分を反対。両親は破棄しようと言いました。結局「私が老後に読むから」と押し切り、今も家に置いてあります。(遺族間での意見の相違)」

「介護用の昇降椅子で、自治体の回収は持ち込みでも受け取ってもらえず、人から譲り受けた物で販売店もわからないので、販売店を通じて回収してもらうこともできない。自分で解体して持ち込めるサイズにして捨てている。(粗大ごみ処分 50代・女性)

「昭和のミシンです。大抵のものは分解して粗大ごみ等に出せたのですが、ミシンだけは重いわ、二階にあったので降ろせないわ。もしかしたら価値があるかもとは思ったのですが、手軽そうに見えて動かせない一品でした。(不用品回収 50代・女性)」

廃盤になっているような古い本は、素人では判断できなくても、然るべき業者に依頼すれば高値で買い取ってもらえる可能性があります。

しかし、大量になると店頭への持ち込みも難しいですし、手間に感じてしまいますよね。

業者によっては出張買取の対応をしてもらえることもあるので、依頼してみるのも一つの手段です。

家電類や介護用品は処分について決まりがあるものの、物によっては古くて判断できないこともあります。

そういった場合は、役所に問い合わせても対応が難しいと断られてしまうこともあるようです。

他にも家財道具ではありませんが、困ったものについてご紹介します。

「父は自宅を事務所代わりにしていたため、私物なのか会社の備品や販促品なのか分からないものが大量にあり、何を捨てて何を返却すればよいのか確認を取るのが大変でした(その他 40代・女性)」

「自営の製造業を営んでいた父が亡くなり、遺品整理をしたのですが、家財日用品の処分はそれほどでもなかったのですが、事業用の加工機械類や道具類の処分が大変でした。中古人として同業者に引き取ってもらうか、産業廃棄物として処分するか専門家の意見を聞いて行いましたが、手間もお金もかかってしまいました。(粗大ごみ処分 60代・男性)」

自宅で仕事をしている場合、備品や事業用の機材などが残されている可能性があります。

書類等だけであれば処分もしやすいかもしれませんが、機材などは処分方法がわからないこともあるでしょう。

また、所有者が誰かわからないと返却の確認なども必要です。

まずは仕事に関する連絡先や書類が残されていないかを確認し、相談してみるとよいでしょう。

【その他、処分に困った家財道具】
「食器棚が一般的なものよりだいぶ大きく、かと言って売れそうもなかったため粗大ゴミとして処分したが、運び出すのにとても苦労した。(粗大ごみ処分 30代・女性)」

「家電リサイクル法に関わる家電を処分するのは大変でした。購入した場合は店舗で引き取ってくれますが、処分のみの場合は自分でやらないといけません。特に冷蔵庫は一番お金がかかりました。(粗大ごみ処分 50代・女性)」

「モデルガンだったのですが相場もわからずだったのでフリマアプリやオークションなどで一つ一つ調べるのが大変でした。(美術品 20代・男性)」

「亡くなった祖父母の家に全部残ったままになってしまい、業者に全部依頼すると数十万かかりそうだったから自分たちでトラックを借りて40分ほどかけて粗大ゴミを処分しに行くのを5回繰り返した。(洗濯機 20代・女性)」

「骨董品をコレクションするのが趣味だったため量が多く売れば価値になると提案してきた親戚もいたし、あえて故人を偲ぶために残すべきという意見もありどうするかで悩んだ。結果、必要なものを遺族が引き取り、価値がわからず残りは処分した。(骨董家具 20代・男性)」

大きな家具類はどうしても処分に労力がかかります。

最近は家電類にも処分に関して法律で定められており、正しい方法で処分をしないと不法投棄扱いになりかねません。

また、骨とう品や美術品は、サイズが大きかったり量が増えたりすると持ち込みも難しくなります。

せっかく価値があるものがあっても、相場がわからないと捨ててしまう可能性もあるでしょう。

誰と処分を進めましたか?

(N=100名、単一回答。2022年03月30日に実施したインターネット調査による)
自分(家族)で進めた:45人
業者に依頼した:32人
遺族みんなで進めた:23人

多くの人が遺品整理を自分や家族と進めたことがわかります。

何らかの知識があるならともかく、家財道具などは専門知識がない素人だけでは処分するのは、余計に難しいと感じる人が多かったようです。

円滑に遺品整理を進めるには、やはり専門業者に依頼することも考えておくことをおすすめします。

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