ベンチャーサポート相続税理士法人(は、「おひとりさま相続」に関する調査を実施した。
約半数が相続について考えたことはあるが、「おひとりさま相続」は9割以上が調べたことがない
全国のお子様がいない65歳以上の既婚者・独身者を対象に調査を実施。
「これまでに「相続」について考えたことはありますか?」と質問したところ、約半数が「はい(48.2%)」と回答した。
次に、「「おひとりさま相続」について調べたことはありますか?」と質問したところ、9割が「いいえ(91.6%)」と回答した。
約半数の人が相続について考えたことがあるものの、おひとりさま相続に関して調べたことがある人は1割にも満たないことが分かった。
6割超が「誰に相続するか決まっていない」と回答
「誰に相続する予定ですか?(既婚者の場合は、配偶者の亡き後と仮定してご回答ください)」と質問したところ、「決まっていない(64.7%)」が最も多い回答結果になった。
お子様がいない既婚者や独身者の場合、相続先を決めている人は4割未満と少ないことが明らかになった。
- 相続先を決めた理由は「周囲に迷惑をかけたくない」が最多
- 認知症などに備えて、任意後見制度の利用を検討したことがある人は1割にも満たない
「誰に相続するか決まっている」と回答した人を対象に、相続先を決めた理由について調査を実施。
「誰に相続するか決めた理由として、もっとも当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「自分が亡くなった後に、周囲に迷惑をかけたくないから(36.8%)」と回答した人が最も多く、次いで「相続したい相手がいたから(28.1%)」と続いた。
誰に相続するか決まっていない理由はどのようなものなのか。
■誰に相続するか決まっていない理由とは?
・一人では決められないので(60代/女性/沖縄県)
・弱ってきた時に大変お世話になったと思える人に相続したいが、まだそういう人が出てくるかわからないから(60代/男性/神奈川県)
・まだ現実味がない(70代/男性/奈良県)
・まだ終活には早いと思っているから(60代/男性/千葉県)
「自分が認知症などになったときに備えて、任意後見制度の利用を検討したことがありますか?」と質問したところ、9割が「いいえ(90.5%)」と回答した。
認知症などによって、自分で決断できなくなったときに備えている人は少ないことが明らかになった。
家族信託を検討したことがある人、死後事務委任契約を検討したことがある人はともに約1割
「認知症などになった場合、口座が凍結される可能性がありますが、未然に防ぐために家族信託を検討したことはありますか?」と質問したところ、9割超が「いいえ(93.7%)」と回答した。
続いて、「自分が亡くなった後の葬儀、お墓、遺品整理などのために、死後事務委任契約を検討したことがありますか?」と質問したところ、9割が「いいえ(90.0%)」と回答した。
- おひとりさま見守りサービスを利用したい人は3割近く
- 7割が「相続人がいない場合、財産は国庫に帰属することを知っている」と回答
「おひとりさま見守りサービス(安否や健康状態の確認など)を利用したいと思いますか?」と質問したところ、約3割が「はい(27.8%)」と回答した。
最後に、「相続人がいない場合、亡くなった人の財産は最終的に国庫に帰属することをご存じですか?」と質問したところ、7割が「はい(70.4%)」と回答した。
- まとめ:誰に相続するか決めていない人は6割を超える。約3割が「おひとりさま見守りサービスを利用したい」など、老後の生活に不安を感じる人も一定数いる
今回の調査で、約半数が相続について考えたことがあることが分かった。しかし、お子様がいない65歳以上の既婚者・独身者では、相続先を具体的に決めている人は3割にとどまることが明らかになった。
また、任意後見制度や家族信託、死後事務委任契約について検討したことがある人は約1割であった。
さらに、安否や健康状態の確認などをする「おひとりさま見守りサービス」を利用したい人は、約3割に上ることが明らかになった。相続先は具体的に決まっていないものの、おひとりさまの老後生活に不安を抱える人も一定数いることが示唆された。
少子高齢化が進み、生涯未婚率も増加傾向にある昨今。おひとりさまの相続をサポートするサービスを上手く活用することで、より安心して老後を過ごせるのではないか。
調査概要
1. 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
2. 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、お子様がいない65歳以上の既婚者・独身者を対象に実施
3. 有効回答数:1,007人
4. 調査実施期間:2023年12月13日(水)