実施の背景
ポータルサイト「いいお墓」は、お墓の購入を検討している方に、適切な霊園・石材店をご紹介しており、その実績は年間約6万4,000件に上ります。日々お墓に関するご相談を承る中で、「お墓購入の手順がわからない」、「自分たち家族にはどんなお墓が合うのか知りたい」、「自宅の近くにあるお墓を比較検討したい」などの声が寄せられています。
1. お墓選びの三大テーマは「お墓の種類」、「自宅から霊園までのアクセス」、「金額」
― TOP3は5年間変わらず
2. 「樹木葬」や「納骨堂」といった近年注目をされる「継承者不要」のタイプが主流に
― 購入したお墓の種類は「樹木葬」が51.8%で過半数を突破、次いで「納骨堂」20.2%、「一般墓」19.1%
3. 樹木葬の購入価格は直近5年間で70万円前後を推移、一般墓、納骨堂は下落傾向
― 一般墓152.4万円、樹木葬66.9万円、納骨堂77.6万円
4. より自宅から近い霊園を選ぶ傾向が顕著に
― 自宅からお墓までの平均所要時間は約29分、2019年調査では約40分
1. お墓選びの三大テーマは「お墓の種類」、「自宅から霊園までのアクセス」、「金額」
― TOP5は3年、TOP3は5年間変わらず
お墓選びで最も重要視した点を伺ったところ、1 位は「お墓の種類」、次いで「自宅から霊園までのアクセス」、「金額」となりました。2019 年以降、5 年連続で 1~3 位に変動がないため、やはり「お墓の種類」、「自宅から霊園までのアクセス」、「金額」はお墓選びの三大テーマと言えます。
また、直近5年間の結果は下記になりました。
直近3年の4位、5位にランクインしている「園内の雰囲気」、「霊園の最寄り駅・バス停からの徒歩でのアクセス」は霊園を見学することによってより実感を持てる点になります。実際に今回の調査においては、約98%の方が霊園見学をしてからお墓を購入しています。案内が可能な場合は、事前に予約をとるとスムーズに見学をすることができます。
2. 「樹木葬」や「納骨堂」といった近年注目をされる「継承者不要」のタイプが主流に
― 購入したお墓の種類は「樹木葬」が51.8%で過半数を突破、次いで「納骨堂」20.2%、「一般墓」19.1%
購入したお墓の種類に関しては、第11回(2020年)に樹木葬が一般墓を上回り、その後も樹木葬が1位を獲得しておりました。
また、購入したお墓の跡継ぎについての質問では、「跡継ぎ不要のお墓を購入した」の回答数が昨年を上回る結果となり、「継承者不要」のタイプに注目が集まっていることが分かる結果となりました。
3.樹木葬の購入価格は直近5年間で70万円前後を推移、一般墓、納骨堂は下落傾向
― 一般墓152.4万円、樹木葬66.9万円、納骨堂77.6万円
一般墓の平均購入価格
151.2万円となり、4年連続で下落となりました。一般墓の購入にかかる費用は主に「墓石代」、「土地利用料」、「その他諸経費」を合算したものが総額となります。今回の調査結果では、墓石代が平均107 .6万円、土地利用料が平均58.9万円となりました。一般墓は使用する墓石の量や所有権を保持する区画面積によって価格が決まるため、基本的にはお墓の区画が大きいほど費用は高く、小さいほど安価になります。
▼樹木葬の平均購入価格
66.9万円でした。概ね70万円前後で推移しており、直近5年間においての相場は安定しています。樹木葬は近年のお墓の主流であり、消費者のニーズを捉えていることから、特出した価格競争は起きていないようです。一方、樹木葬を選んだ理由について価格について言及している方が約40名に対し、後継ぎがいらないことや子どもに迷惑をかけたくないという理由の方が約220名と回答者におよそ5倍の差がありました。価格面で選んでいると言うよりは、承継者がいらないことが選択の理由となっていると言えます。
▼納骨堂の平均購入価格
77.6万円で、直近5年間では最も低い価格となりました。相場は下落傾向にあると言えそうです。
納骨堂に関しても樹木葬と同様に価格を理由に選んでいる意見より、承継者が不要であることを理由に選択をしている人が多く、その差はおよそ4倍となっています。こちらも価格で選んでいるというよりかは承継者が不要であることが理由となっているようです。
4. より自宅からアクセスの良い霊園を選ぶ傾向が顕著に
― 自宅からお墓までの平均所要時間は約29分、2019年調査では約40分
※2019年度の結果に関して平均移動時間を「59.1分」としていましたが正しくは「40.7分」でした。謹んでお詫び申し上げます。
お墓選びで重視した点で 2 位にランクインした「自宅から霊園までのアクセス」では、移動時間が 30 分未満の方が約 6 割を占めており、平均で28.8分という結果となりました。
また、移動時間に関して経年の変化を見てみるとここ5年でおよそ11分短縮されており、より自宅からアクセスしやすい霊園を選ぶ傾向が顕著になっていることがわかります。
高齢化や核家族化、単身世帯の増加、地方の過疎化と都市部への人口集中、地縁・血縁の希薄化など様々な社会的背景によって「家族のかたち」は大きく変化し、家族を同じお墓に埋葬し、一つの墓を子孫が守っていく従来のスタイルから、お墓の在り方も変化しています。
今年度の調査結果においては、初めて樹木葬が過半数を超えるとともに納骨堂のシェア率が一般墓を超え、さらに一般墓の購入者は調査以来、過去最小の割合となりました。樹木葬が人気となっていることは昨今の報道等でも明らかではありましたが、あらためて「継承者不要」であることがその理由となっていることも伺える結果となりました。
一方、今回最小の割合となった一般墓ですが、「墓じまいがセットになっているお墓を選んだ」「永代供養つきのお墓を購入した」という回答もあり、一般墓もそのかたちを変え「継承者不要」のお墓を選択することができるようになっているようです。
社会構造の変化とともにお墓のかたちも多様化が進んでいます。本調査がそういった変化をお伝えし、皆様のお墓の購入の一助となることを心より願っております。
調査概要
調査名 :第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)
調査対象:2022年1月~同年12月にお墓探しの総合情報サイト「いいお墓」経由でお墓を購入した方
調査期間:2023年1月13日(金)~1月29日(日)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:660件
*回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
*「いいお墓」経由でお墓を購入した方にアンケートを送付し、回答結果を集計しています。