空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査

総務省が今年4月に発表した「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」※によると、2023年10月1日時点の国内の総住宅数は、6,502万戸と過去最多を記録し、空き家数についても900万戸と過去最多となりました。空き家率は13.8%となり、空き家数は1993年から30年間で約2倍に増加しています。

その要因の一つとして、人口が減少しているにも関わらず、住宅市場が新築中心であり未だに多くの住宅供給が行われていることが考えられます。また、中古住宅は新築住宅よりも市場に出にくいという特徴もあります。空き家が放置されることは、倒壊の恐れや環境の悪化を及ぼす可能性があるため、空き家問題が深刻化する中、国や地方自治体も法や条例の制定等によって、積極的に空き家流通の活発化を目指しています。

総務省 報道資料(令和6年4月30日)

■2024年ジェクトワン実施 「空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査」の主な結果

【1】 空き家所有者の現状について

空き家を現在所有している、あるいは今後、相続予定の方、計1,040名を対象にジェクトワンが実施した調査では、空き家の現在の所有状況について、「常用していない空き家を所有している」が43.0%、「相続予定の空き家がある」が59.5%となりました(重複回答有)。年代別で見ると、30~40代では、30代の約8割、40代では3人に2人が「相続予定の空き家がある」と回答し相続予定の方が多い傾向となり、50代~60代は全体的な母数が増え、それぞれの年代で所有と相続予定における差が小さくなる傾向がみられました。

 

また、空き家の対処について意思決定に関与できるかを尋ねたところ、「関与できる」(「所有権を持っており、意思決定に関与できる」+「所有権を持っていないが、意思決定に関与できる」)は88.5%と、9割近い結果となりました。所有権の有無に関わらず、空き家をどうするか、その対処方法について意思決定に関与できる方が多い一方で、空き家の有効活用に至っていない実態がうかがえます

【2】 空き家所有者の悩みと活用を検討する際の制約

空き家に対する一番の悩みを尋ねたところ、「不用品の整理・撤去ができていない」(9.8%)が最も多く、続いて「売却や活用等、何をするのがよいかわからない」(8.4%)、「活用する具体的なアイデアがない」(6.8%)という結果になりました。また、空き家の売却や活用を検討する際に制約となることについては、 「残置物が多くて片づけられない」(13.9%)が最も多く、続いて「何から始めればよいかわからない」(12.6%)、「リフォームや取り壊しの費用を捻出できない」(8.7%)という結果になりました。空き家に対する悩み、そして売却・活用の際の制約については、いずれも不用品の処理の問題や、そもそも何をしたらよいかわからないといった課題を抱える空き家所有者が多いことがわかりました。

【3】 今後、空き家を売買や活用する際に望む条件

所有する、あるいは今後、相続予定の空き家について、1年以内に売却の予定がないと回答した方を対象に、空き家を売却しても良いと思えるための条件を尋ねると、「どんな条件でも1年以内に売却しない」(31.3%)、続いて「解体費や手続き費用などの初期費用がかからない」(24.0%)、「手続きに時間と手間がかからない」(20.5%)という結果になりました。

また、所有する、あるいは今後、相続予定の空き家について、1年以内に賃貸を利用する予定がないと回答した方を対象に、不動産会社負担でリノベーション工事をしたうえで、賃貸しても良いと思えるための条件を尋ねると、「どんな条件でも1年以内に賃貸はしない」(33.4%)、続いて「確実に賃貸収入を保証してくれる」(25.1%)、「遺品整理や残地物処理などの費用や手間がなくなる」(15.4%)という結果になりました。

本調査の結果、しばらくの期間は、空き家を売却も活用もせずに、そのままにしておきたいと考えている方が多いことがうかがえます。一方で、売却や賃貸を検討しても良い条件として、空き家の対処にかかる“費用”や“手間”の問題がクリアになるかどうかが、空き家の利活用促進に向けて大きな鍵を握っていることがわかりました。

<調査概要>

調査方法:インターネット調査

調査時期:2024年2月2日~2月19日

回答者数:1,040名(30~74歳・男女)

対象者:以下の調査地域にて、空き家(賃貸用、売却用、二次的住宅ではなく、かつ、最寄り駅より徒歩30分圏内)を

所有している、あるいは、相続予定の方

調査地域:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、静岡県、愛知県、福岡県

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