子どもから切り出しづらい? 親の生前整理についてのアンケート調査!

もしものときに備え、身の回りのものを整理したり処分したりする生前整理は、終活の一環としてテレビやSNSなどでも紹介されています。また、亡くなった後の家族の負担を軽減できるため、元気なうちに生前整理をする方は昔と比較すると近年増加傾向にあると言えるでしょう。

しかし、生前整理は自身の死について考えるデリケートな問題でもあるため、なかなか子どものほうから切り出しにくいテーマなのではないでしょうか。


そこで、林商会では、60代以上の親がいる子世代を対象に親の生前整理に関するアンケート調査を実施しました。

子世代が生前整理についてどのような意識をもっているのか、また実際に生前整理をした方の状況やエピソードも紹介するので、ぜひご覧ください。

79%の子どもが自分の親に生前整理をしてほしいと思っている!

(N=300名、単一回答。2023年11月06日~2023年11月16日に実施したインターネット調査による)


「自分の親に生前整理をしてほしいと思いますか?」という設問に対して、生前整理をしてほしいと回答した方が全体の8割を占めました。

それぞれの理由を、票数が多かった順にご紹介していきます。


【生前整理をしてほしいと回答した方の理由】

売っても良い物やずっと家に置いて欲しい物を整理してくれると、亡くなった後も整理が楽になるからです。(60代の親をもつ30代女性)

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実家や遺産の相続などの面で親の意見をしっかりと尊重し反映させてあげたいですし、残った家族でもめ事を起こしたくないからです。(70代の親をもつ40代男性)

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父が亡くなり色々な手続きや片付けなど本当に大変で、生きている内にもっと相談したり亡くなった後にどうするべきかなど聞いておけばよかったと後悔しているからです(60代の親をもつ30代女性)

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【どちらとも言えないと回答した方の理由】

生前整理をしておいてほしいような気もするが、これまで仕事を頑張ってくれていたのでその後のことは考えずゆっくり過ごしてほしいとも思うから。(60代の親をもつ30代女性)

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実家から離れた他県に住んでいるので親が元気なうちに生前整理や共有をしたいと思うが、親を年寄り扱いするのが申し訳なく思うから(60代の親をもつ30代女性)

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物に関しては多く散らかっているので片付けて欲しいと思う一方、大好きな物に囲まれて命を全うしたいというのであれば、それもまた幸せな事なのかもしれないと思ったりします。遺書なども出来ればちゃんと用意して欲しいですが、この年齢だと面倒くさいのだと思います。(70代の親をもつ40代女性)

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【生前整理をしてほしくないと回答した方の理由】

そういうことをしているのをみるとどうしても申し訳ない気持ちになるから(70代の親をもつ20代女性)

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父はまだ働いているので、老後のイメージがつきにくい。生前整理、具体的に何をしたらいいのかわからない。(70代の親をもつ30代女性)

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生死を意識することなので、大切なこととはいえ無理にして欲しいとは言わない(60代の親をもつ30代女性)

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生前整理をしてほしいと回答した方は、将来のことを考え手続きや相続で家族・親戚間で揉めごとが起きないように事前に整理をしておいてほしいと思っているようです。また、どちらとも言えないと回答した方も心の中では生前整理をしてほしいという思いがあるものの、親のことを考えると切り出しづらい状況にあると言えます。


加えて、生前整理をしてほしくないと回答した方も同様に、親のことを思うと切り出しづらい一方で、生前整理が具体的にどのようなものなのかイメージしづらいと回答した方もいました。もちろん、生前整理をしてほしいと回答した方の中にも切り出しづらい方は多くいるはずなので、やはりデリケートな話題であると言えるでしょう。

生前整理を望む方が多い一方、生前整理に前向きな方は全体の約5割ほど

先ほどのアンケート結果で、親に生前整理をしてほしいと思っている子どもは全体の約8割にのぼることがわかりましたが、実際に今どのような状況にあるのでしょうか。

(N=300名、単一回答。2023年11月06日~2023年11月16日に実施したインターネット調査による)

親の生前整理に関する現在の状況のアンケートをとったところ、「既に生前整理をした」「これから生前整理をする予定」などの生前整理に前向きな方は、全体の約5割ほどでした。


親に生前整理をしてほしい方が全体の約8割ほどいた一方で、現在生前整理に前向きな方は全体の約5割と、両者の票数には乖離が見られ、本心では生前整理をしてほしいがなかなか言い出しづらい現状が浮き彫りになっています。

【エピソード紹介】親が生前整理に前向きになったきっかけとは?

生前整理は60代以上の親をもつ子どもにとってデリケートな話題ですが、親の生前整理に前向きな方はどのようにして切り出したのでしょうか。

(n=149名、単一回答。2023年11月06日~2023年11月16日に実施したインターネット調査による)


「親の生前整理をした・する予定がある方はどのようにして生前整理を切り出しましたか?」という設問に対して、「親から生前整理の話を切り出した」という方が多い結果となりました。次いで、「親と子どちらともなく生前整理の話を切り出した」「子から生前整理の話を切り出した」となっています。

基本的には、親から切り出すことが多いようですが、子どものほうから切り出すことも少なくない印象です。

では、実際に生前整理に前向きになったきっかけやエピソードについて、下記でご紹介します。


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テレビや書籍などで生前整理の知識を親が付けて、自分で処分できるものは自分で処理したいと思うようになったからです(70代前半の親をもつ30代男性)

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あまり長くはないと両親から話を聞き、その言葉を頭にいれておき、少しずつではありますが、生前整理をはじめている。(70代後半の親をもつ30代女性)

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古くからの友人がなくなった際の話などを親子でしていた時に自分たちももう若くないと親が気づき始めたのでそれをきっかけに生前整理の話となり穏やかな雰囲気で進めることができました。(70代後半の親をもつ40代男性)

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入院中に、先生から今後に関する話をされる機会があり、その際に将来のことを考えた方が良いと思い、はっきりとは言わずにぼやかす感じで話をしました。(70代前半の親をもつ30代女性)

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夫から生前整理の必要性を聞いたので、聞いてすぐに、親に電話で生前整理を一緒にしてほしい旨を伝えました。親は驚いていましたが、快諾してくれました。(70代後半の親をもつ50代女性)

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親戚が親に話を切り出してくれたのでそれに乗っかって話を勧めていった。自分からだけだと鬱陶しがられるのでちょうどよかった。(60代後半の親をもつ40代女性)

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多くの方は、身内や親戚との会話、テレビやSNSの情報などをきっかけに話をされるケースがほとんどでした。生前整理は、自身の将来に関わる大切な選択だからこそデリケートになってしまう部分もあるため、無理に切り出すことは控え、言い出せるタイミングやきっかけがあるときに自然に話題を出すのがよいのではないでしょうか。

生前整理に関する情報を一挙に紹介!

近年、話題となることも増えてきた生前整理ですが、いざ生前整理をしようと思ってもなにから始めればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで、この章では生前整理の手順など生前整理に関する情報をご紹介します。


生前整理の一般的な手順

生前整理には決まった手順はありませんが、下記の順序ですすめていけば基本的には問題ありません。

1.所有財産の整理

2.必要なものと不要なものを分別する

3.財産目録を作成する

4.貴重品をまとめる

5.エンディングノートを作成する

6.遺言書を作成する

7.不用品を処分する

生前整理を決めてからすぐに処分に取りかかるのではなく、初めにパソコンのデータなども含めた必要なもの・不要なものへの分別や現在の財産をリスト化した財産目録の作成など下準備から始めましょう。

また、自分の人生を振り返り、見つめ直すことで将来に活かせる整理法の一つであるエンディングノートを作成するのもおすすめです。100均やネット通販で簡単に購入できるので、利用してみてはいかがでしょうか。

意外と整理するものが多く自分で整理しきれない場合は業者に依頼するのも一つの手

生前整理の下準備を始めた方の中には、意外と整理するものが多かったり体力的な負担が多かったりすることに気付く方が多いです。どうしても、個人で行なうのに限界がある場合は無理をせずに生前整理業者に依頼するのも一つの手と言えるでしょう。費用はかかってしまいますが、整理に関する負担を減らしたり専門家が作業を行うので効率的に整理がすすめられたりとメリットもあります。


加えて、業者の中には処分品の買取りを行なっている場合もあるので、生前整理にかかる費用から買取り分を差し引くことも可能です。自分で生前整理をすすめる場合は、決して無理はせずに負担のない範囲で行ない、どうしても自力ですすめていくのが困難だと判断した場合は、業者に依頼できることも覚えておいて損はないでしょう。


【注意】業者に依頼する場合は悪質な業者に気をつけよう!

「高額な費用を請求してきた」「何かと追加料金をつけて相場をはるかに超える金額を請求してきた」といった悪質な対応をする業者も中には存在します。

そのため、業者を選ぶ際は以下の4つを重視しましょう。

1.料金設定が明確な業者を選ぶ

2.実績を重視しなるべく現場に近い業者を選ぶ

3.複数の業者に見積もりをしてもらう

4.問い合わせ・見積もり時の対応の丁寧さを確認しておく

特に、複数の業者に見積もりをしてもらう相見積もりは非常に有効です。また、優良事業所の認定を受けているかどうかや専門の資格を有しているかどうかなども、公式サイトやSNSで確認し比較検討を怠らないようにしましょう。

 

調査期間:2023年11月06日~2023年11月16日

調査機関:クラウドワークス

調査方法:インターネットでのアンケート調査

調査対象:60代以上の親がいる子世代

有効回答人数:300名

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