実家の片付け、いつやる?多くの人が処分に困っているものは何?

少子高齢化社会が進む昨今、「年老いた親が暮らす実家の片付けをしたいけれど、なかなか進まない」というお悩みの声をよく耳にします。

そこで、買取専門店ウリエルでは、生前整理・遺品整理など実家の片付けについて、アンケート調査を実施しました。

実家の片付けのタイミングは「親が元気なうち」が最多

(N=300名、単一回答。2022/6/3~2022/6/13に実施したインターネット調査による)

「実家の片付けはいつしますか?」という質問に対して、全体の48%の方が「親が元気なうち」、31%の方が「亡くなってから」と回答し、「病気や介護が必要になってから」15%、「する予定がない」6%と続く結果になりました。

では、それぞれの回答の理由をみてみましょう。

1位:親が元気なうち(48%)
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できるだけ親の意向を尊重したいので、介護などの世話が必要になりみな忙しくなる前にやっておきたいです。(40代男性)
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元気なうちに整理をして欲しいのと、中には見られたくない物もあると思うのでその処分もして欲しい為。(30代女性)
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片付けをするうえで、いちばん悩ましいのが「処分すべきかどうか」の判断がつかないケースです。

親が元気なうちだと「必要かどうか」「思い入れがあるものかどうか」などを親自身に判断してもらえるという理由が多く挙げられていました。

「親が元気なうちに、できることは少しずつ進めておきたい」という現実的な回答の中にも、親の想いを尊重したい…そんな子世代の気づかいが感じられます。

2位:亡くなってから(31%)
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生きているうちにやろうとしても、親が納得しないから。(30代男性)
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本人はまだ元気だし整理されたら死ぬのを待たれていると思われそうでかわいそう。(40代女性)
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親が片づけるのを嫌がる」と並んで「親が元気なうちに片づけるのはかわいそう・気が引ける」という理由を挙げた人が目立ちました。

思い出がたくさんつまった大切なものをひとつ片づけるたびに、人生の幕を閉じる瞬間に一方ずつ近づいていくような気がして、親は片付けを嫌がるのかもしれません。

また、そんな親の心情を汲み取る子世代も「親が亡くなったときのことを考えたくない」と感じているのでしょう。

3位:病気や介護が必要になってから(15%)
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親が元気なうちから自分が主導で始めてしまうと、それきっかけで親も老け込みそうだし、自分も心情的にツライ。(40代男性)
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まだまだ元気な間は本人たちに任せるべきだと思いますが、自分にとって残したいものや引き継ぎたいものは親の意識のあるうちに保管場所を確認しておきたいです。(40代女性)
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こちらは先述の「親が元気なうちに」と「亡くなってから」で挙げられた理由を合わせたような結果となりました。

「必要かどうか・残したいかどうかは親自身で判断してもらいたい」という現実的な願いと「親が元気なうちに片付け始めるとかわいそう」という親への気づかいの間で揺れる様子が見てとれます。

それでは、実際に実家の片付けをする際には、どのようなものが処分に困るのでしょうか。

  • 【子世代の本音】実家の片付けで処分に困るものランキング

(N=300名、複数回答。2022/6/3~2022/6/13に実施したインターネット調査による)

「実家の片付けで処分に困るものを教えてください」という問いに対しては、「写真・思い出の品」が134票、「趣味・収集品」が107票、「家具・家電」が105票を集め、「仏壇」「衣類」が続く結果となりました。

では、それぞれの回答の理由をみてみましょう。

1位:写真・思い出の品(134票)
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親の人生そのものなので、自分で取捨選択しづらいです。(50代女性)
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家族にとっても大切なものなので捨てるのは心苦しいですし、だからといって誰がどうやって保存するかも悩んでしまうと思うからです。(20代女性)
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やはり数々の写真や思い出の品にはそれぞれの気持ちが大きく関わるため、片付ける際に意見が分かれやすいからです。(20代女性)
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大切な親や家族の気持ち、そして共に積み重ねてきた歴史がつまったものであるため、写真や思い出の品は多くの人にとって処分しづらい存在のようです。

また「見つける度に思いが込み上げて泣けてしまい、片付けが進まないから」という回答もあり、処分しながら思い出に涙する家族の姿も浮かんできます。

2位:趣味・収集品(107票)
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本人にはかなりの思い入れがあるものなので、納得して処分するまで時間もかかり困ります。(20代女性)
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その人にしかわからない価値を判断する基準が難しいから。(30代男性)
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趣味のアイテムや収集品は、まさにその人の価値観を象徴するもの。

だからこそ、大量の古いレコードやCD、押入れに眠っている手作りのパッチワークなど「場所をとって困るけれど、親の嗜好や愛着がつまったものはなかなか捨てられない」というジレンマに悩む人が多く見られます。

3位:家具・家電(105票)
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市のセンターに引き取ってもらうためには予約をしてマンションの下のゴミ捨て場に捨てに行く必要があります。1人では大変なので、業者を雇わないと厳しいかと思いますし、古い家電も多いので処分費用が高額になりそうです。(30代女性)
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重たいし、処分に手間とお金がかかるから。(30代女性)
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タンスなどの家具や大型家電は、家族だけで運ぶのが難しかったり処分にお金がかかったりする点が大きな悩みとして挙げられています。

なかでも、高齢の親と女性のみで片付けを行うケースでは特に切実な問題で、良心的な業者の存在が頼みの綱です。

4位:仏壇(66票)
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仏壇を現在の私の部屋に置くスペースが無いので処分したいが、両親は恐らく処分して欲しくないと思っていそうなので扱いにとても困る。(20代男性)
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どうやって処分したらいいかわからない。(50代男性)
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仏壇は「処分の仕方がわからない」を理由に挙げた人が目立ちました。

特に、親ほど信心深くなかったり仏壇の必要性を感じていなかったりする子世代にとっては、悩みの種になっています。

5位:衣類(65票)
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衣類はたくさんありすぎるから捨てるだけでも大変。(50代女性)
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衣類や着物は母のお気に入りばっかりだったので処分するのには勇気がいります。(50代女性)
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数の多さを理由に挙げる人が多い中で「親のお気に入りだったから処分できない」という回答も目立ちました。

直接身に着けるからこそ、体温が感じられる大切なものとして処分に困るのではないでしょうか。

  • 【注意】実家の片付けは悩みとトラブルの宝庫!?

ここからは、アンケートで寄せられた実家の片付けについての悩みや、実際にあったトラブルをご紹介します。

「今はまだ、そんな時期じゃない!」と片付けを拒む親
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遺品整理の相談をするとまだそんな時期ではないと指摘を受けた。(30代男性)
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親に話を生前整理の話をしたら、まだしないと言われ中々進まない。(30代女性)
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先述の通り「親が元気なうちに片づけたい」と思っている回答が半数近くを占める一方で、「まだ時期ではない」と親が片付けたがらないといった回答が多く見られました。

元気なうちは愛着のあるものに囲まれて暮らしたいという想いが、親たちに片付けを渋らせる要因なのではないでしょうか。

注意!生前整理の提案は親の怒りを誘う
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片付けの話をしに行ったら烈火のごとく怒られて追い返されてしまった。(50代女性)
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今はまだ元気とはいえ、いつ何が起こるかわからないので家の中の整理をしていってもらいたいと思っていますが、そのことを伝えても聞く耳を持たず喧嘩になってしまいます。(30代女性)
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母はまだまだ元気なので、生前整理の提案をしたら、「そんなに早く死んで欲しいのか?」と凄い剣幕で怒ってくるので何とも困ったものですね。(50代男性)
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「処分するかどうかは親の意思を尊重したい。だからこそ、親が元気なうちに少しずつ一緒に片付けを進めたい」と考える子世代と、「早くいなくなってしまえということか!?」と怒る親。

親の想いを尊重したいからこそ生前整理を提案したのに、肝心の親には伝わらない…。

半ば諦めの境地で、片付けに着手できない現状を受け止める子世代の姿は、少子高齢化が進む日本では今後もますます増えていくのかもしれませんね。

「捨てたい」子世代VS「捨てたくない」親
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本人の大事にしている思い出の物がこちらにとってはゴミ当然の物だった時、それを場所を取って保管し続けるかどうか揉めている。(30代男性)
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元気なうちに片付けをしてほしいのですが、物が捨てられない世代なのか、全部必要だと言って、なかなか捨ててくれません。(30代女性)
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少しずつでも不要なものを処分して片付けを進めたい子世代に対して、親は「まだ必要」と捨てたがらない傾向にあるようです。

この背景には、親が物を大切にする世代であることや「物がたくさんある=豊かな生活」という価値観が根付いていることがあるのではないでしょうか。

遺品整理は兄弟姉妹の揉め事のタネ
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兄弟でも価値観や考え方が異なるので、遺品の整理を行うときは意見の食い違いが生じました。(40代男性)
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遺品整理をする際、私はこれが欲しいなどと言い合いになり、兄弟で揉めた。(50代男性)
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兄弟姉妹間でも、価値観の違いから「捨てる」「捨てない」の判断に食い違いが生じたり、誰がもらうかで揉めたりといったトラブルが見受けられます。

また、誰が「片付け費用を負担するか」「土地を管理して固定資産税を納めるか」などで揉め事に発展するケースもあるようです。

お金に関することは、兄弟姉妹間でもシビアな問題になりがちな点は注意と覚悟が必要かもしれません。

自力での片付けには時間と労力が必要!
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なかなかすぐには終わらず時間がとにかくかかることです。(20代女性)
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体力的な負担が大きく、なかなか作業が進まないところ。(30代女性)
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価値が分かるところに処分をしないで適当なところに処分を任せたら二束三文にもならなかったうえに処分費用もかさんでしまったことがありました。(40代男性)
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子世代は、自身の仕事や家庭と両立しながら実家の片付けを進めるケースが大半です。

年老いた親と子世代だけでは、思うように作業が進まなかったり大型家具・家電の搬出が難しかったりなど、時間面・体力面での苦労が多いようです。

自力での処分が難しい場合は専門業者に依頼する人が大半ですが、「業者選びを間違えると、せっかくの価値あるものが適切に評価されなかった」という後悔の声も寄せられました。

調査期間:2022年6月3日~2022年6月13日
調査機関:クラウドワークス
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査対象:20~60代の男女
有効回答人数:300名

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